「油圧成型機のメンテナンス」テーマに勉強会を開催しました

 葛飾ゴム工業会(牧野秀徳会長)は3月29日、テクノプラザかつしか(東京都葛飾区)で、㈱ショージ(東京都葛飾区、二宮和子代表取締役)の山下琴代営業部長兼技術部長を招いて、「油圧成型機のメンテナンスの重要性」をテーマに今年度第1回目の勉強会を開催しました。当日は会員企業や賛助会員から24人が出席しました。
 牧野会長は「今年度はより会員が抱えるリアルな悩みや課題を掘り下げ、共有し助け合う勉強会にしたいと思い、ショージ様の山下さんを迎えて成型機の重要性を勉強します。今後も技術的なことや本当に困っていることを吸い上げていきます」と述べました。
 続いて講師の山下氏が「油圧成型機のメンテナンスの重要性」をテーマに、同社のメンテナンスサービスや機械製作などを通じて日頃のメンテナンスの大切さを説明しました。
 山下氏は2019年4月に同社入社。それまでは公立の幼稚園教諭をしていましたが、先代社長である父から次ぎを託されたことから入社を決意し入社して5年目を迎えています。
 ショージは1943年に創業し、ゴムや樹脂の油圧成型機や真空成型機などを製作販売するほか、機械のメンテナンスにも力を入れています。自社の機械のメンテナンスはもちろん、近年は廃業に追い込まれた他社製のメンテナンスを依頼されるケースも増えているといいます。
 勉強会では、機械が止まる要因や修理事例、機械の撤去・移設、同社が製作する機械、中古機械などを紹介しました。機械が止まる要因としては、油圧機械はバルブの故障、オイルの劣化、モーターの劣化などが挙げられ、「異音が聞こえたら故障のポイント」(山下氏)と紹介しました。一方、電気機械はシーケンサー故障によるプログラム異常や電気製品の故障などが要因と考えられています。
 山下氏は主な修理事例としては、パッキン交換をメインに、断熱板交換・熱盤研磨、配管漏れ、四本柱折れ修理などを紹介しました。
 他社製の修理については大竹機械、三重工業、加賀プレスなど国内メーカーの修理実績がある(海外製の修理は実施していない)。また、機械の撤去・移設では他社機械でも対応しています。引き取った機械のうち、自社製と大竹機械の機械はオーバーホールして中古機械の販売も行っています。
 同社には大竹機械に勤めていたスタッフや電気設備担当のスタッフも勤務しており、修理依頼にもすぐに駆け付けてくれるため、同社のメンテナンスを定期的に受けている会員企業も多い。
 勉強会では初めて同社のメンテナンスを受けたタグチゴムの事例も紹介されました。タグチゴムの田口郁男氏は「恥ずかしながらメンテナンスの重要性に気づいていませんでした。今後は保守・点検計画を策定して行きたいと思います」と話しました。講義終了後は、多数の質問相談が山下氏に寄せられ、メンテナンスの大切さを改めて実感した様子でした。

牧野会長のあいさつ

山下氏

勉強会の様子

 

2024年04月09日更新