三協物産、タグチゴム、精工パッキングが町工場見本市に出展
「中小にしかできない技術(こと)がある」をテーマに、東京都葛飾区と近隣地域の優れた「町工場」の技術・製品を展示する「第10回町工場見本市2024」が2月~15~16日、東京国際フォーラムホールで開催されました。
葛飾ゴム工業会に加盟する会員企業からは三協物産、タグチゴム、精工パッキングが製品や技術を紹介しました。
◆三協物産
同社の武者英之社長が立ち上げたエコブランディング研究協会「EMSTAR」における取り組みを中心に紹介しました。 EMSTARは武者社長の「ゴムを基点にエコを追求する」をモットーに、同社が創業60周年を迎えた21年の記念事業として始めたものです。エコブランディングは、先行事例(エコ顕彰情報の収集・評価)、環境影響(スコープ3、説明責任対策)、情報発信(対外/要員コミュニケーション)、事業開発(合本支援者とのマッチング)を研究テーマとして活動を行っています。
現在はISO14001やエコアクション21の認証を取得する環境経営に関心が高い事業者を中心に、武者社長自らEMSTARの理念を伝えながら、EMSTARに賛同する企業を募っています。昨年の町工場見本市でも約30社がEMSTARのとりくみに興味を持つていただいたとしています。また、「環境を通じて自社のインナーブランディングの見直しにもつながる効果がある」(武者社長)とのことです。
◆タグチゴム
「想いを繋ぐ、モノづくりを繋ぐ」と題し、ブースでは後継者難を理由に廃業したり、経営者が急な病に倒れたりして、製造がストップしたゴム製品を同社が生産を継続する「生産移管」に向けた取組みを紹介しました。 同社の田口郁男常務取締役によると「この2年間で当社が引き継き、生産移管した案件は関東を中心に20社以上になる」と話していました。家族経営を行っていたが、経営者の社長が病に倒れ、製造ができなくなるなかで、同社が金型を引き取り、4M変更にも対応し生産移管したことにより、「依頼主の企業だけでなく、ユーザーなど多方面から喜ばれています」(田口常務)と語ります。
同社に寄せられる問い合わせは紹介が多いとしてますが、同社ホームページ「生産移管」からも問合わせ可能です。「事業承継に悩むゴム企業に対し、生産移管事業を通じてその手助けしたい」(田口常務)と強調していました。
◆精工パッキング
ビクトリア型の平板打抜加工を手掛ける同社は、ブースで世界一細い輪ゴムの「かつしか極細輪ゴム」などを展示したほか、同社が開発・製造する文具用バック「ズボラップ」「ポレット」を販売しました。
かつしか極細輪ゴムは、身に着けたことを忘れるほど0・3mmでできた軽くて細い輪ゴムです。ビクトリア型打抜きの技術で製造し、無臭、防振性、耐熱性に優れたシリコンで作られています。 これまでにマスクの耳にかける「くもの糸」や極細輪ゴム技術を使用した指用の保護バンドとして商品化した「HOGOMUWA」を上市しましたが、最近は同ゴム技術を生かし大腸ポリープ除去用の道具の開発なども手がけ、用途が広がりつつあるとのことです。
ブースでは、平井秀明社長自ら極細輪ゴムを来場者に配り説明しながら、極細輪ゴムが持つ新たな可能性を探っていました。