宿泊研修会を開催しました サンコーゴム成田工場、カワイチ・テック成田工場を見学しました

 葛飾ゴム工業会(武者英之会長)は6月14~15日、千葉県成田市内において15人が参加して宿泊研修会を開催しました。第1日目の午前の部ではサンコーゴム成田工場を見学。午後の部ではカワイチ・テック成田工場を見学した後、成田商工会議所を訪問して、同工業会と同会議所工業部会交流会を行いました。

  見学会冒頭、あいさつに立った武者会長は「今回は、今さら聞けない!射出成形と題し、サンコーゴムではプラスチックの射出成形工程、そしてカワイチ・テックでは射出成形材料のコンパウンド工程を見学します。展示会などで見てわかっていることでも、自分の目で見ると違うことも多いです。ぜひこの貴重な機会を通じて知識を深めてほしい」などと述べました。

 

 武者会長の挨拶の後、参加者はサンコーゴムの阪本淳一代表取締役、斎藤工場長の説明を聞きながら、プラスチック射出成形機とプレス機などを使い、バイク用ヘルメットメーカーSHOEI向けの内外装部品の製造工程を視察しました。成田工場は25人の2交代制で、「窓ゴム」と呼ばれる部品などを生産しています。なお、SHOEIのヘルメットは国内外で評価が高い上、新しいモデルも続々と製品化されることから、「生産は忙しく、工場の人手確保が悩みの種となっている」(阪本社長)とのことでした。

 昼食休憩の後、参加者はカワイチ・テック成田工場を見学しました。工場見学前に同社の川口秀一社長が会社沿革から成田工場の概要、そしてプラスチック部門、ゴム部門、新規部門の事業方針などを説明しました。

 成田工場は、第1工場、第2工場、研究開発棟などに分かれ、プラスチックやゴムの練り加工を手がけています。
 このうち、第1工場は「黒モノ」と呼ばれるカーボンブラックを扱うプラスチックを生産、第2工場は「白モノ」と呼ばれるプラスチックを生産しています。
 同工場では6ラインを保有していますが、プラスチックは全て75リットルのバンバリーミキサーで練りを行うとともに、ゴムも75リットルのニーダーで練りを行っているのが特長です。

 また、川口社長は、同社が最近力を入れて取り組んでいる新規部門について紹介しました。同部門では、「人の健康と安全に配慮した商品づくり」をキーワードに、コンパウンド技術を活用して、医療関連や環境関連、ヘルスケア関連などで新商品開発を積極的に進めています。その一例として、川口社長は浄水用凝集剤「KTパウダー」や次亜塩素酸水「KTウォーター」など自社製品「KTブランド」の特長について紹介しました。

 続いて、参加者は川口社長の説明を受けながら、プラスチックの混練から押出、冷却、裁断など一連の製造工程を見ることができた。見学後の質疑応答では、川口社長が、同社が試験的に導入した週休3日制の成果と課題や「KTブランド」の将来性などを解説しました。 このほか、終了後、川口社長から参加者にKTウォーターなどがプレゼントされました。

 次に、参加者は成田商工会議所を訪問し、川口社長が部会長を務める同会議所工業部会と交流会が行われました。

 交流会では、成田市の職員から成田空港の利用者数の状況、成田山新勝寺がミシュランが発行する旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の2つ星を獲得したこと、成田市の企業誘致制度の説明がありました。

 続いて、葛飾ゴム工業会と成田商工会議所との意見交換が行われ、両者が抱える課題などを話し合いました。その中で、双方とも人手不足に苦しんでいる現状が浮かび上がり、活発な意見交換会となり、充実した宿泊研修会となりました。

2019年06月19日更新