会長就任のあいさつと抱負―「地産地消」宣言―

 葛飾ゴム工業会は「葛飾区産業展(現葛飾区産業フェア)への出展参加を目的として1985年8月に創設され、間もなく満32周年を迎えます。

 この間、初代会長:藤井浅一氏(故人)、2代会長:菅谷昭男氏、3代会長:杉野行雄氏、第4代会長:藤井直行氏と、いずれも「ゴムの街かつしか」を代表する経営者がリーダーを歴任されてきました。

 今回、藤井会長からの推挙により5代目の会長を引き受けるに至りましたが、誰よりも私自身がその任に当たる力量のなきことを承知しています。それにもかかわらずなぜ意を決したか、以下にその背景と想いを述べさせていただきたいと思います。
 皆さんも日々実感されていることと思われますが、我々はけっして成長分野で仕事をしているわけではありません。その端的な事例が、当会の賛助会員であった大竹機械工業さんの突然の廃業であります。
 昨年3月に東京理科大学MOT(大学院技術経営専攻)の松島教授をお招きして、ゴム製品の「産地」としてのかつしかの将来を考える「ワークショップ」を開催しました。
 その場では、我々ゴム成形加工業者はけっして自己完結的に成り立っているのではなく、機械・金型・材料の業者さんにより支えられていることが「再確認」されました。その後わずか半年を経ずして我々を「突発的大事件」が襲おうとは、その際には全く考えてもいませんでした。

 当社を含めて「大竹さん」に依存していた会員は少なくなく、廃業に向かうまでの事態の推移する中で数回にわたり情報交換を行う機会をもちましたが、そこで共通の認識となったのは「もう手遅れかもしれないけれども、我々にとって不可欠な「業者さん」との連携をこれからは意図的に深めていく必要がある」という点でした。

 さて、話題は我々の本業からはやや離れますが、現在、葛飾区内では「ものコト100」という若手経営者による運動が展開されています。これは、東京オリンピックの開催される2020年に向けて、100の物(製品)や事(サービス・活動)を新たに起こしていこうというものです。当会において「若手」と呼ばれる40代前後の会員も、これに参画し中心的な役割を担っています。伝え聞く活動内容から、私の眼には、従来の「異業種交流会」とは若干趣を異にしているように映っています。
 一見して次元の異なるこれらの動きですが、葛飾ゴム工業会の役割を「成熟化に向き合いながら、新しい芽を育てる」とした場合、そこに私の使命が見いだせたような気がしました。
 冒頭申し上げたように、私自身の度量は限られていますので目指すところは短期決戦、次代への「つなぎ役」に徹したいと意を強くしています。 そしてその際の行動基準は「地産地消」、あくまでもこの土地「かつしか」へのこだわりを保ち続けたいと考えています。

 最後になりますが、若干の自己紹介をさせていただきます。

 私が代表を務める三協物産株式会社は1962年8月設立、この夏で55年目に入ります。創業時は天然ゴムの原料商でしたが、オイルショックを機に成形加工分野に進出、現在は「ゴム製品製造業」として分類されています。
 私、武者英之は1963年3月生まれ、満53歳です。学卒後、金融サービス業での勤務を経て1993年8月に当社に入社、2005年10月に代表に就任いたしました。
 会員および関係各位におかれましては、以上の諸事情をご賢察いただき、これまで以上のご支援を賜りたいと願っております。宜しくお願い致します。

                                                                                   2016年6月24日 葛飾ゴム工業会会長 武者 英之

武者英之新会長

武者英之新会長

2016年06月24日更新